F1には疎く、その存在となぜかシューマッハだけを知っていた。
ニュースでみたハンサムな顔つきと存在感のある響きを感じる名前に魅かれたかもしれない。
そして、2013年12月29日に当時にすでにF1を引退していたシューマッハがスキーで事故に遭い、重篤状態にあるニュースを知った時に思わず発した言葉は「バカじゃない?」だった。あんな危険なレースで無傷だったのに余暇の娯楽で命を落とすなんて。
彼のことにはまだ当時詳しくなかったのだが、レース以外で怪我することに対する憤りを感じた。あまりにも惜しかったからだ。
あれからもうすぐ年8年が経とうとしている。シューマッハは脳の損傷がひどく、命に別条ないものの、もう元のシューマッハが戻ってこない。
言わんばかりのことは悟れる。しかし、彼が家族のプライバシーを守ってきたように、家族は彼のプライバシーを守り、それ以上詳しいことは公表されていない。
シューマッハファンにとって、むしろこの程度の情報は一番適切なのだろう。彼はまだこの世にいることだけが分かれば、もう公な場で彼の姿をみることができなくても満足するのだ。